このコーナーは私がふだん店番をしていて、実際にお客さんに聞かれたこと、
又、お茶の業界でこんなことが起きているなどちょっと書いてみます。
(分からない言い回しなどがあればどんどん指摘して下さい。)

 

2003.10.14 第4 回 「お茶屋さんで飲むと...」
2003.10.28 第5 回 「『番茶下さいな』と言われて」
2003.11.11 第6 回 「お茶のことわざ その一」

2003.10.14 第4回「お茶屋さんで飲むと...」
お店にいらしたお客さまにお茶を一服。その時、こうおっしゃる方がいらっしゃいます。
「お茶屋さんで煎れてもらうとおいしいのよね〜。家ではもう一つなんだけど..」
ですとか、
「今煎れてもらったの、ウチが買ってるのと同じお茶よね?」な〜んてことも。
お茶屋さんで飲ませてもらうと、なぜおいしく感じるんでしょう?
中身を偽って売ったりなんて、同じ場所で何年も商売させてもらうには決してやってはいけない
ことで、お客さまの方がそのあたり敏感ですので、そんなことすればすぐお客さんは離れて行って
しまいます。
たとえば、お店の人がお茶を煎れてると、なにかブツブツ言ってません?
「おいしくな〜れ、おいしくな〜れ」と呪文のように煎れてませんか?
まあ、そんなお茶屋はある意味、恐いので避けてもらうとして、(笑)みんな
「このお茶はこんなにおいしいんですよー!」
って気合いを入れてお出ししているのは間違いありません。自分の処で売ってるお茶をアピールする
絶好の機会ですからね。それと、そのお茶のことを一番よく知っているのはそのお店の人ですよね?
だからどういう風に煎れればそのお茶がより美味しくなるかわかってるからなんですよ。
ですからどんどんお店の人においしい煎れ方聞いちゃいましょう。喜んで教えてくれると思います。
お茶の種類や使う量、お湯の温度などいろいろおいしくお茶を煎れる要素はあります。
そして、さらに重要なこと。それは、
「人にやってもらう」これに尽きるんですね。
みなさんが大好きな温泉旅行。何が嬉しいって、ご飯のしたくや後片付け、部屋の掃除お風呂の
用意、ふとんの上げ下ろしまで据え膳でぜ〜んぶ他人がやってくれて普段なかなか出来ない気の
抜いた生活を送れる。至福の時ですよね〜。
お茶を煎れてもらうのも同じです。一応私もこの道20年になりますが、自分で飲むとなると
「よーし、こいつはうまく煎れられた!」極上煎茶でさえ、その味は8歳の娘が「おつかれさま」
な〜んてナマイキ言って出してくれた一杯のお茶には全くかないません。

2003.10.27 第5 回 「『番茶下さいな』と言われて」

皆さんが「番茶」と聞いて、どんなお茶が頭に浮かびますか?
タイプ別に大きく分けると私の見解では3種類です。
さらに、もう一つ製造工程を経たものを加えると4つありますが、これは後述します。

まず、関東を中心に「番茶」と呼ばれているものは主に煎茶の値段が安いものを指すことが
多いようです。
お茶は4月の終わりから5月の初めに「新茶」を摘み始めますが、この時期のその年一回目に
茶摘みを始めます。その時摘まれたお茶を一番茶と呼んでいます。
一般的には一番茶のお茶摘みが一通り終わり、そののち50日前後にもう一度お茶摘みをします。
これを二番茶と呼びます。
一番茶に比べ、2番茶はアミノ酸等の旨味成分がやや劣るため、値段は安くなります。
2番茶の後半になると畑から摘んで来て、同じように製造工程を通るわけですが、市場に出回ると
だいぶ値段も安くなります。
この最後の方の値段が安くなった煎茶のことを「番茶」と呼ぶことがまずひとつ。

(注*玉露、抹茶は一番茶しか摘まないことが多いです。なるべくお茶の木にダメージを与えないで
 その翌年の為に力を貯えさせるんですね。そのため採れる量も少ないため値段も高くなるんです。
 又、煎茶も以前は三番茶、四番茶まで摘みましたが最近はあまり行いません。これも木のダメージを
 少なくするためです。)

お茶は今まで述べたように、初夏から真夏前に大体お茶摘みを終了しますが、夏の間に十分な水分と
日光を受けてその葉は大きく硬く成長していきます。
翌年の新茶に古い葉っぱが混ざらないように、又、芽が出る時期をそろえるために葉を刈り取ります。
(これを秋番茶と呼び、春先にも同じ理由で行うことがありますが、それを春番茶と呼びます。)
これらももちろん飲むことが出来るんです。旨味の成分は少ないですが話題のカテキンなどはやや
多く含まれています。
この硬化した大きな葉を煎茶と同じように製造工程を通し「番茶」と呼ぶことがふたつ目。
(『川柳』などとも呼ぶ地方もあります)

そして、もうひとつは京都、中国地方、四国などで良く飲まれる、蒸す、煮る、釜で炒るなどしたのち
日干しにする「日乾番茶(にっかんばんちゃ)」というものがあります。原料はふたつ目の硬化した葉を
使うことが多く、その年の新芽をわざわざ硬化させて摘み取り作るところもあるそうです。
その地方により多少発酵させたり、桶に敷き詰めて圧力を掛けてかためるものなどがあります。
葉が十分生育しているため刺激が少なく、さっぱりとしてガブガブのめます。又お茶には利尿作用もあり
沢山飲めばからだの疲労素も排泄されて身体の具合もよくなりますね。
ですからそのまま飲むことはもちろん茶粥やお茶漬けの習慣がある地方は番茶が欠かせません。

初めにもう一つ製造工程を経たということを書きました。それは皆さん御存じの「ほうじ茶」です。
これはふたつ目の日干しでなく煎茶同様に製造した「番茶」をさらに専用の釜で香ばしく炒ったもの
です。(煎茶やくき茶を焙じたものもあります)
これも番茶と同様に考えていいと思いますがあえて別にしたのは、カテキンや旨味成分がだいぶ
なくなってくることがあるからです。
番茶には違いがないんですが、まあわたしもちょっとかたいこと言ってみたかっただけですよ。(笑)

「番茶」とは本来、遅い時期に摘まれる「晩茶」が語源だと言われています。
現在のように洗練された製造法がない昔、山仕事をするひとが山に自生するお茶で作った番茶。
家の周りに茶の木を植えてそれを自家用に作って飲んでいた番茶。
その地方の風土、習慣、食生活に合った生活の知恵から今でも作り続けられています。

「日常茶飯」という平穏でなにもないごく当たり前のことを意味する言葉があります。
昔から日常の生活の中にはごく当たり前に食事とお茶があるんですね。

*おまけ* 番茶の違いを見てみよう→

2003.11.11 第6 回 お茶が入っていることわざ「その一」

日本のことわざには「茶」という言葉が使われているものが沢山あります。
そんななかいくつか紹介しますね。

“鬼も十八 番茶も出花 ”
恐い鬼の子でも十八ぐらいになると可愛く魅力的になる。人間の娘ならなおさらで、
安い番茶も一回目のお湯を注いだ時はけっこう香りもあっておいしい。
なんにでも盛りがあるということ。

でも鬼の子ってやっぱり鬼の顔してるんですよね?
可愛いのかどうかはみなさん、機会があれば(あるのか?)確かめて下さい。

“ お茶のこさいさい”
江戸時代は一日二食で朝食のかわりにお茶を飲んでお菓子などを間に合わせ に
食べて済ましてたそうで。「茶の子」というのはそのときのお茶うけのこと。
あまり腹にたまらないことから転じて、物事が容易に済んでしまうことの 意味
になったそうです。

一日ニ食か〜。皆さん働き者だったんですね。「飯を喰うヒマもありゃしねぇ!」
ってなもんだかどうかは不明です。
現代ではその時代の伝統を守ってる(?)のはダイエット中のご婦人方達ですか?
あ、お相撲さんがそうですね。

“お茶を濁す”
お茶を入れるのがあまり得意でない人が煎れると澄んだお茶にならず、濁って出て
しまう。そのとき「葉っぱが多かったかな?」「時間が長すぎたかな?」などと
なんとかごまかそうとする。
そんな様子から、その場を取り繕ってごまかしてしまうことを言います。

粉茶や深むし茶は私みたいな下手くそが煎れてもわりとうまく煎れられます。
濁ってもおいしいみんなの味方のようなお茶の種類です。

まだいろいろあるんですが、又御紹介しますね。(その一としたのもそのためです。)
決して、管理人がネタ不足の時の保健にしてるわけじゃあないですよ。
信用してないでしょうけど。(笑)

 

 

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